あらすじ
平凡な高校生・早川雄大の唯一の趣味は、再生数も伸びないボカロ楽曲制作。人気キャラを避け、あえてマイナーなバーチャルシンガー「奏音ミコ」を使い続けていた。
――ある日、その“奏音ミコ”が現実に現れる。
「マスター、なんで私の曲、伸びないの?」
画面の中では完璧に歌っていたはずの彼女は、どこか不器用で、感情的で、そしてやたら距離が近い。
再生数に一喜一憂し、勝手に歌い方を変え、時には嫉妬まで見せるミコ。一方で雄大も、そんな彼女と向き合ううちに、“ただのツール”として扱えなくなっていく。
これは、データだったはずの歌声が“心”を持ったときに始まる――
ちょっと不器用で、やたら近くて、でも確かに特別な、ボーカロイドと人間のラブコメ。
そして、彼女が現実に現れた理由を知ったとき、この関係は、ただの「創作」では終わらなくなる。
※「VOCALOIDボーカロイド」および「ボカロ」はヤマハ株式会社の登録商標です。
※過去に書いた短編を再編し、新作として長編に改訂したものです。