あらすじ
侯爵令嬢エリアーナは、王太子レオンハルトの婚約者でありながら、社交界では「地味な記録係令嬢」と呼ばれていた。
華やかなドレスより帳簿を好み、夜会より議事録を優先する彼女を、王太子は次第に疎ましく思うようになる。そして卒業記念舞踏会の夜、男爵令嬢ミレーユを隣に立たせた王太子は、高らかに宣言した。
「エリアーナ・ベルフォード! 君との婚約を破棄する!」
会場中が彼女の涙を期待する中、エリアーナは静かに微笑む。
「はい、承知しました。では殿下、違約金は三倍でございます」
笑い声が凍りついた瞬間、彼女の背後から現れたのは、王国監査院を統べる若き公爵、ユリウス・ヴァレンタイン。
「その契約書なら、私がすべて確認済みです」
王太子が捨てたのは、ただの婚約者ではなかった。
王家の不正を最も正確に記録していた、ただ一人の令嬢だったのだ。
婚約破棄から始まる、契約ざまぁと溺愛ハッピーエンド。