あらすじ
南洋諸島連合のヴァントレット商会跡取り、ダスス・ヴァントレットは、表向きは陽気で無責任な遊び人として振る舞いながら、影で世界の情勢を冷徹に見つめていた。心を持たない彼にとって、人はすべて道具に過ぎなかった。
そんな彼の前に現れたのは、コッセル・ロレアン。連合王国からの移住者三世で、戦争で命を削り、死期の迫ったヒーラーの少女だ。彼女はただ一言、「戦争なんて無くなればいいのに」と呟いた。
その言葉が、ダススの凍えた心に初めての揺らぎを生んだ。
停戦成立直後、捕虜返還交渉の場で、二人は出会う。
戦争の傷跡が残る中、ダススはコッセルのために、世界から戦争を無くす道を選ぶのか――それとも、彼女だけを生きる意味とするのか。
「P int of No Return Love」
――「戦争なんて無くなればいいのに」と言った少女の、最後の恋。
静かで、切なく、しかし確かに心を揺さぶる、儚い恋の物語。