あらすじ

架空の地方都市、暁田県。 県庁に中途採用された近藤伊織は、初登庁の日、なぜか一人だけ地下二階へ案内される。そこで待っていたのは、表の組織図には載らない部署――「異類対策課」だった。 異類とは、幽霊や妖怪、神さまのようでいて、時代に置いていかれた存在たち。 伊織には、そんな異類の姿だけでなく、彼らが何に執着してこの世に留まっているのかを示す「縁の糸」が見える。 一方、無愛想な課長・烏丸護は糸こそ見えないものの、異類を見つめ、記録と調査から真実を掘り起こすことに長けていた。 二人の仕事は、異類をただ祓うことではない。 土地に残された記憶や、言えなかった言葉、ほどけなかった時間を調べ、その因縁を解き明かし、最後に尊厳ある別れへ導くこと。 それは救いであり、時に残酷な別れでもある。 雪の気配が残る町、古びた停留所、誰にも忘れられたくなかったものたち。 これは、県庁の地下にある小さな部署で、置き去りにされた思いをひとつずつ見送りながら、生きている人間の傷もまたほどいていく、静かな現代ファンタジー。

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小説を読もう2026/05/01
  • 現在の作品暁田県庁 異類対策課