あらすじ
ヴァルハラ王国の姫騎士、ハルニア。
妾腹の王女として生まれ、王宮の端っこで育ち、騎士として戦場に立ち続けた。
三年間、命をかけて戦った。
だが、それは最初から仕組まれた戦いだった。
王国はとっくに帝国に降伏を決めていた。形だけの戦いに、私は生贄として使われた。
「そこまでだ。剣を置きたまえ」
戦場で降伏を告げたのは、レキサンデル帝国の皇太子、レオス。
返り血一つない白い軍装の男が、静かに言った。
「ニア」
初対面なのに、名前を縮めてくる。
しかもその名前は、この国では花嫁を象徴する花の名前らしい。
三年前から知っていたと言う。
三ヶ月前からデートの宿を予約していたと言う。
一目惚れだったと言う。
跪いてプロポーズしてくる。
「不幸なお姫様だわ、私。よくわからない皇太子に、愛が重すぎる」
捨てた王国へのざまぁと、重すぎる愛の行方。
春告げの花が咲く頃、姫騎士の心が動く。