あらすじ
「変に気を持たせるのも忍びないので、この場で明言しておく。――俺が君を愛することはない」
「……」
結婚初日。
私は今日から夫となるルドルフ様から、開口一番そう言われた。
「両親がそろそろ身を固めろとうるさいので一応籍は入れたが、君とは白い結婚にさせてもらう。数年経ってほとぼりが冷めたら、相応の慰謝料を支払ったうえで離婚するから、そのつもりでいてくれ」
「承知いたしました」
だが、私はこうなることを予め知っていた。
実は私には予知能力があり、この展開は事前に予知していたのだ。
なので、ルドルフ様からこうして白い結婚発言をされても、私の心は凪いだ海の如く静かだった。
まあ、現時点で私が予知しているのはここまでなので、ここから先に何が起こるかは私にもわからないけれど、きっと無味乾燥な毎日が待っているのでしょうね――。
「――!」
その時だった。
唐突に頭の中に、未来の映像が浮かんできた。
あ、予知だわ――。
基本的に予知は、私の視点で描かれる。
どうやら予知の中の私はルドルフ様と、街中に二人で立っているらしい。
『……エレナ』
『……はい』
『今さら虫がいいことを言うようだが――俺は君のことを、心の底から愛してしまった。どうかこれからは、俺と本当の夫婦になってほしい』
『ルドルフ様……』
ルドルフ様は火傷しそうなくらい情熱的な視線を、私に向けている。
――えっ!?!?!?
な、何今の????