あらすじ
不動産営業マンの田所健介は、手にしたものを一瞬で失くしてしまう致命的な不注意の持ち主だ。備品や書類はもちろん、時には案内すべき物件の場所や、自分自身の現在地までもが彼の記憶から滑り落ちてしまう。
そんな彼に、社内一厳しい佐藤課長から「大口顧客の案内」というラストチャンスが与えられる。失態は即、解雇。背水の陣で挑む田所だったが、目的地へ向かう道中で、あろうことか全ての案内資料と物件の場所をロストしてしまう。
焦燥にかられた彼は、持ち前の適当さとその場しのぎの嘘で顧客を翻弄し、もはやどこかも分からない建物の前で絶体絶命の事態を迎える。信用も、立場も、そして自らの進むべき道も見失った男が、最後に行き着く「最悪の目的地」とは——。