あらすじ
「お、男……?」
「……」
無表情で冷たい顔立ちから「氷壁女」とあだ名され、婚期を逃してきたペトラは、王宮の優秀な侍女である。長女の彼女は、実家の苦しい家計を助けながら、才能を認められなくとも淡々と働き続けてきた。
ペトラはある日、異国の美しい女騎士ジュジュと出会う。不器用なペトラだが、奥ゆかしいジュジュとは相性がぴったりだった。まさかの趣味仲間だったこともあり、二人は親密になる。だがジュジュは突如、苦しみながら光に包まれる。目を開けるとそこには、残忍な「撫で斬り騎士」と噂される魔性の男、ジュリアスが立っていた。
驚愕しながらも、ジュリアスから明かされた苦悩を受け止め、そして見なかったことにしようと決意するペトラ。だが、時すでに遅し。女性を避けてきたはずの彼が、なぜか絶好の条件で求婚してくる。気持ちが全く追いつかずきっぱり断るが、それでも諦めない彼。交渉の末、二人はある期限付きの契約を結ぶ。
いずれ熱も冷めるだろうとの予想に反し、彼からの愛情は深まる一方。しかも、小さな優しいお姫様に隠れた優秀さを見出されてしまい――。
愛が重い男の心をうっかり掴んでしまった氷の女が、幸せも掴んで微笑むまでのおはなしです。