あらすじ
現代社会で中間管理職としてすり減っていた男、マサ・ユウマ。過労の果てに彼が辿り着いたのは、凶悪な魔物が跋扈する異世界の僻地だった。武器も魔法も持たない彼にあるのは、長年の経験で培った「マネジメント能力」と、人の潜在能力をレーダーチャートとして視覚化する固有スキル『天賦の天秤(オーダー・スケール)』のみ。
マサは逃げ込んだ「牢屋の遺跡」で、最初の仲間となるハーフエルフのリリィと出会う。彼女は知力に特化しながらも、その出自ゆえに「無能」と蔑まれ幽閉されていた。マサは彼女の持つ「黄金の伸び代」を見抜き、対等なパートナーとして組織の知恵袋に据える。さらに、遺跡の奥に隠れ住んでいた臆病な吸血鬼の少女ルネ、最強の「盾」を持ちながら同族に忌み嫌われる猫娘族のティオナ、そして故郷を失い流れ着いた盲目の剣士ララ——。
世間から「欠陥品」と切り捨てられてきた彼女たちは、マサの『適材適所』の采配によって、その真の才能を開花させていく。マサは決して命令しない。丁寧な物腰で彼女たちの孤独に寄り添い、ただ「居場所」と「戦術」を与える。
「君のその力は、僕たちの助けになります。……どうか、協力してくれませんか?」
孤立していた個の力は、マサの指揮下で一つの「組織」へと昇華される。狼男族の襲撃を退け、絶望に沈んでいた猫娘族の村を救った彼らは、そこを拠点に新たな国家の礎を築き始める。
知恵、目、盾、そして矛。
全てが揃った時、未踏の僻地には、既存の国家すら凌駕する圧倒的に「ホワイト」な楽園が誕生する。これは、一人の管理職が少女たちの未来を再定義し、世界を経営(ビルドアップ)していく物語である。