あらすじ
これは、才能が全てで努力は実らない剣と魔法の世界で、才能の無い落ちこぼれのかませ悪役に転生してしまった俺が、真の悪役となって、この理不尽な世界をぶっ壊す物語だ。
『碧色の君と愛の魔法』
それは、平民の中から稀に生まれる極大な魔力持ちの少女が、その魔力を認められて貴族達の集まる魔法学園へ通い、そこで王子様に見初められるという、悪役令嬢なんかも出てくる、よくあるシンデレラストーリーの物語だ。
しかし、この物語が本当に実世界となった時、そこには残酷な現実が存在した。
それは「魔力量による絶対的な力の差」として顕れる。
この世界の魔法は当然のことながら、人外の身体能力をもたらすのもまた「魔力」であった。
つまり、魔法は当然の如く魔力量が多い方が強力であるし、魔力量が少ない者は、いくら体を鍛えようとも魔力量の多い者の身体強化魔法には敵わないのだ。
その上、魔力量は生まれた時に既に決まっており、幼少期にいくら空になるまで使いまくろうが、瞑想や儀式を繰り返そうが増えることはない。
そして、平民の中から稀に極大の魔力持ちが生まれるのとは逆に、貴族の間にも両親の魔力量より遥かに少ない魔力しか持たずに生まれてくる者が稀にいる。
そんな悪い方の稀な子供に転生してしまったのが俺だ。長い歴史を持つ貴族の両親から生まれながら、見合わない少ない魔力しか持たない落ちこぼれ。
親兄弟には見下され、魔法学園では平民の主人公に突っかかって、至極あっさりとあしらわれるかの如く無様に敗北し、早々に消え去る、かませもかませの木っ端悪役。
それが俺『ルーク・フォルテシア』だ。
これは、そんな俺が、知識と知恵、そして才能や環境に恵まれなかった者達を束ねた『組織』という力を使って、真の悪役として、この理不尽な世界へと牙を向く物語なのだ。