あらすじ
「美しき神の器よ、其方は身を削るために生まれてきたのだ」
この世に命を授かった頃から、男性として生かされてきたアスラン王国の若き王女レオナール。国家機密に関わる理由から女性であることを隠すため身体を変質させる薬を与えられ、人類史上初となる生けた殺戮兵器として戦場に送り込まれる日々が続いていた。
血の繋がる兄と父の従順な奴隷として育った彼女は、救いの手すら現れぬ劣悪な環境で育てられてきたが故に、誰もが与えられるべき人肌の温もりを知らぬまま感情を失ってしまう。
これまでにない過酷な冬の到来により海上交易が途絶えたアスラン家が困窮に陥った時、真っ先に交渉を持ちかけたのは中央帝国レグナディアの王太子カリオス・ド・リヒテンシュタインであった。
大地を統べる次期皇帝と、人間であることを捨てた偽りの王子。
異なる道を歩んできた二人の出会いは、やがては国全土をも巻き込む大波乱を呼び起こし、錆びついた運命の羅針盤を動かす。
※更新ゆっくり。