あらすじ
安倍晴明の末裔、土御門家の異端児、朔夜。
類まれなる術の才能を持ちながら、その容姿への劣等感と、たった一度の激しい失恋により日本を捨てた男が、三年の月日を経てロンドンから帰国した。
しかし、彼を待っていたのは一族の歓迎ではなく、生駒山中での凄惨な襲撃だった。
闇に消えた朔夜と、愛車の大型バイク。現場に残されたのは、ひしゃげたガードレールと、点々と続くオイルの滴り、そして彼自身の鮮血。
一族が「失踪」あるいは「裏切り」を疑う中、中学生の弟・蓮真だけは、兄が一人で孤独な戦いに身を投じたことを確信する。