あらすじ
「常に美しく、従順でありなさい」
ポラール王国第ニ王女であるルナリア・ポラールは、母の呪縛に縛られ、人形のような笑みを浮かべて夜会を過ごす。しかし、そのドレスの下の脚には、自分を現実に繋ぎ止めるための無数の自傷痕が刻まれていた。
ある夜、その「秘密」を冷徹な合理主義者のカント・ファーブラに目撃されてしまう。
弱みを握られたと絶望するルナリアに対し、カントが提示した条件は意外なものだった。
「僕に手当てをさせてください。それで十分です」
それ以来、彼女が自分を傷つけようとするたび、カントはどこからともなく現れる。
やがて、母に大切なものを奪われ、心が限界を迎えた夜。ルナリアはカントに縋りつく。
「……ぐしゃぐしゃの……、めちゃめちゃになりたい」
自傷の代わりに刻まれる、カントの歯型と指の跡。それは破滅への誘いか、それとも歪な救済の始まりか。
※自傷行為についての描写があります。自傷を賛美する意図はありません。
※この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません