あらすじ
日本には何となくの潮流があった。
ごく短い時間で海の向こうへ行けるようになり、距離など関係なく景色を見れるようになり、どこにいようと関係なく会話ができるようになり、世界のスケールが何となく理解され始めた。
自分にとっての未知が既知へと変わり、知らなかった世界がなくなり、視野が広がっていった。
それぞれがそれぞれの国や組織を持ち合わせていたが、だんだんと一つに融合され、統一されるのでないか。いや、統一されるべきなのではないかという機運が高まっていった。
そのような統一方向への思想が膨れ上がり熟成され早100年。一時は成功しかけたそれは、瓦解を始める。
個性尊重型社会の到来だ。
それぞれはそれぞれの良さがある。多様性。多文化共生。ダイバーシティ! だというのに、わざわざ壊してまで統一する意味なくないか? という思想が台頭してきたのだ。
株式会社アアップ。その社会の流れに揉まれ、部署単位で潮流が生まれた。
このたび社会人になった桐谷はアアップに就職する。様々な派閥が入り乱れる会社で、桐谷は個性豊かな上司とともに成長していく。