あらすじ
魔法が存在しない現実主義の異世界。
四十歳の独身貴族メルセデス・アステールは、両親を亡くしてから二十年間、
「のらりくらり」と目立たず平穏に家領を守り抜くことだけを目標に生きてきた。
転生者としての知識はある。だが、無双する気などさらさらない。
隣国の騎士団長である過保護な叔父と、大陸一の資産家である母方の実家。
その最強のバックボーンを隠れ蓑に、静かな隠居生活を送るはずだった――。
しかし、新王ヴィクトールによる断罪劇の直後、
夜会で一瞬だけ目を閉じたメルセデスの姿が、人間不信の王子の心に火をつけてしまう。
「なにした私!? ただお菓子のことを考えていただけなのに!」
冷徹な若き王が繰り出すのは、甘い言葉ではなく「王宮監査官」という名の拘束命令。
恋愛スキルゼロの王子と、悟りを開いたアラフォー令嬢。
魔法の代わりに「帳簿」と「根回し」が武器となる、大人のための(少し不器用な)異世界ラブコメディ。