あらすじ
判定石は俺の魂を読み取れず、『鑑定/読取エラー/推定E-』と表示した。
再判定する価値もないと判断された日、兄は俺を家から追い出した。
天野悠真、十七歳。三大宗家の落ちこぼれ。
家賃八万のウィークリーマンション。手切れ金は三十万。
生活費を稼ぐために潜った深層ダンジョンで、俺は気づく。
殺した魔物のスキルが、俺の中に残っている。
そして同じ夜、覚えのないアプリ『DiveTube』が、勝手にスマホに入っていた。
──未踏帯配信枠・空きが発生しました。
覆面と中古機材を揃え、生活費のためだけに配信を始めた俺は、
気づけば世界ランキング1位になっていた。
ただし、強くなるほど、自分が消えていく。
コメント欄の感情に体が引きずられ、殺した魔物の最後の記憶が悪夢になる。覆面が剥がれれば、視聴者の魔力チャージも止まり、俺は戦えなくなる。
俺はただ、誰にも見つからずに静かに生きたいだけだった。
それなのに、世界が俺を見ている。
「やめたい。でも、もう少しだけ」──
配信を切れない少年の、誰にも届かないはずの独白。