あらすじ
音大に通う僕、谷本祐二は、子供の頃からの憧れである才能溢れる音楽家の中里麗奈に少しでも追い付こうとしていた。
時は近未来、音を設定された範囲でのみ聞こえるようにするリージョンシステムが開発され、音楽の形も変化していた。
それでも人々の音楽に対する情熱は変わらず、僕は麗奈先輩に追い付くことだけ考え日々努力していた。
あの日、公園の片隅で奇妙な死にかたをしていた子猫を見つけるまでは。
不安が僕の心に病のように蔓延してきたある日、権威ある音楽家の野沢教授が殺されたと警察から聞かされる。
何もかも不合理な事件の最中、麗奈先輩の姿だけが僕の脳裏になぜか浮かんでいる。
その後の悲劇も知らなかった僕は、本当に幸福だったのだろう。