あらすじ
『西館の空き教室には幽霊が出る』
高校に入学して一週間。僕、橘宗也(たちばな そうや)は、その噂を頼りに西館へとやってきた。もし本当に幽霊がいたら。胸の高鳴りとともに、教室の扉を開く。
「神様の大バカヤローーーーー!!」
え? 今の何?
中にいたのは、一人の女生徒。艶のある長い黒髪。パッチリとした目に整った顔立ち。体つきは細身だが、出るところはちゃんと出ている。彼女が学校の制服を身にまとっていなければ、モデルか何かと勘違いしてしまいそう。
彼女の名は、天使詩音(あまつか しおん)。空き教室に住み着いた地縛霊。
「すごい! ちゃんと話せてる! 私、幽霊なのに! ほあああああああああ!!」
「す、少し落ち着いてください! あと近すぎます!」
取り乱す彼女をどうにかなだめ、僕は彼女にこう告げる。
「実はですね。僕、あなたの成仏を手伝うためにここに来たんです」
「…………はい?」
こうして始まった成仏の手伝い。お昼を食べて、カラオケして、オセロして。え? ただ遊んでるだけ? いやいや。そういうわけじゃないんですよ。
彼女の未練とは何なのか。二人の行き着く先には何があるのか。
そう。これは、彼女を幸せにするための物語。