あらすじ
公爵令嬢ヴィオレッタ・アッシェンドルフ。十二歳から続く王太子レオンハルトとの婚約。
彼女が水面下で握っていたのは、王国の経済決裁権・魔導防衛網の制御鍵・聖女制度の認証印——三つの中枢機構。
婚約破棄の夜。「お前のような無能な飾り妻はいらない」と告げる王太子の腕には、別の令嬢。
ヴィオレッタは静かに、自分が握っていた書類を全て王太子に手渡した。
「これらを、お返しいたします。どうぞ、お好きに」
翌日、隣国ヴァルディム帝国の若き皇帝アレクシスが、ヴィオレッタの領地に予告なく現れた。
「あなたが現王国の真の支配者だと、知っていました」
「私の妻に、なって、いただけませんか」
王国は、その夜から崩壊し始める。
後年、ヴィオレッタの名前は、ヴァルディム帝国黄金期の【礎の母】として、歴史書に残ることになる。