あらすじ
気付いた時には異世界でした。
舞台は種気(アル)という未知の超エネルギーと、それを糧とする危険生物、種乱(ヘベレケ)が跋扈する大陸にある三つの国を取り巻く戦の話。
種気を収集し抽出した物質の種精(アルコール)は、わずかコップ一杯で半年分の石炭に匹敵するエネルギー源であり、分配すれば大陸の全人類のライフラインを保てるまさに革命をもたらすモノだった。それに目をつけたシュタインヘーガー帝国の女帝は「皆が怯えなくていい世界」を目指し、種気を平等に配る活動を開始する。
しかし、それを良しとしない国があった。
武力至上主義のドライジン帝国の国王は、そのエネルギーを軍事力に応用することでただの野望に過ぎなかった大陸統一を成す可能性を見出す。各国に対し宣戦布告した後、種気と種乱との共存を掲げた穏健な帝国同盟国、ジュネヴァ共和国を武力で隷属させたことにより、帝国と皇国の長い戦争が幕を上げたのだった。
そんな世界に不運にも巻き込まれたのは、友人たちと昼から夜更けまで飲み歩いていた、「かっこいい大人」を目指す新成人の龍泉 正宗(りゅうせん まさむね)。
正宗は、その帰りに見るからに怪しい露天商から謎の酒を買う。
そしてその酒を親友と一緒に飲んでみると意識が遠のき――
「…………どこだよ、ここ」
目覚めたのは魔法と剣戟とが飛び交う戦場だった!?
これはそんな世界の戦争に巻き込まれた一人の青年が、『ただ死なないだけ』の体を頼りに『大人になる』とはどういうことなのかを探りながら駆け抜けていく、そんな成長を綴った殴り書きの戦記。