あらすじ

男は死のうとしていた。 自分の音楽で生きていく、それが男の夢だった。 しかし、その夢は叶う気配すらないまま、男の心はポッきりと折れてしまった。もうあがくことの出来るほどの熱は男の心にはない。 かといってそれを割り切って、生きていけるほど男は強くはなかった。 「このまま夢の残像に苦しむくらいなら、もういいや」 そう思い男は決断し、死を選んだ。 せめて最後に歌おう、そう思い望んだ最後の路上ライブ。 結果はいつも通り。まばらな人混みの中、せめてもの拍手をくれる優しい人が数人。 男はその数人に頭を下げ、最後のライブの余韻に浸りながら、その場を後にしようと楽器を片し始めていたその時、男の背中に声がかかった。 「もしかして死ぬつもりですか?」 これは夢に心折られ、死を選ぶしかなくなった弱くてめんどくさい男が、たった一人の不思議なファンのおかげで最後に、最高の光を放つことが出来たお話。 「こんな終わり方なら、幸せじゃないか」 生きるのが下手な男が、最後の最後に救われた。 そんな、一人の人間の、人生のなんて事のない幕引きのお話。

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小説を読もう2026/04/30
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