あらすじ
三十年前、詳細を黒く塗り潰された未解決事件「黒函事件」。その影は、現在の学園で起きる奇妙な失踪事件へ静かに伸びていた。高校生・青瀬遊馬は、幼馴染の水瀬凛とともに、匿名投票ゲーム、手記、怪談、黒塗り資料に隠された違和感を追う。事件を動かすのは、凶器や密室だけではない。噂、証言、記録、そして「誰がその人間をどう語ったか」が、人を消えたことにしていく。掴みどころのない助言者・乱堂影二の名を手がかりに、青瀬は三十年前の真相と、失踪を再現する者たちの論理へ近づいていく。これは、消えた人間の行方を追うだけでなく、消された意味を取り戻すための推理事件録である。