あらすじ
「地味なバフしか使えない無能は、今日でクビだ。……あ、これ配信中だったな?」
ダンジョン配信が世界を熱狂させる現代。
Sランクパーティの支援魔術師・透(トオル)は、リーダーのケビンから、数万人の視聴者が見守る中で理不尽な追放を言い渡される。
透のバフは『全ステータス1.1倍』。
あまりに地味な能力だと世間から、そして仲間から蔑まれていた。
だが、彼らは知らなかった。
透が左目に宿る固有スキル【神の眼(シンガン)】によって、自分自身に強固な『自己抑制(リミッター)』をかけていたことを。
そして、彼が供給していたのは単なるバフではなく、対象の限界値を無視して能力を『100倍』にまで引き上げる、神の領域の術式――『限界突破(リミットブレイク)』だったということを。
「……もう、手を抜く必要はないんだな」
一人残されたダンジョンの深層で、透はリミッターを解除する。
指先一つでボスを粉砕し、隠しルートの財宝を独占する透の姿は、偶然その場に居合わせた国内最強の美少女配信者・アイリスを驚愕させる。
一方、透を失った元パーティは、バフが切れた途端に「指一本動かすのも重い」という絶望に叩き落とされ、配信は大炎上。再起不能のどん底まで転落していく。
これは、世界で唯一「数値」の真実を知る男が、自分を信じてくれる仲間(ヒロイン)だけを最強へと育成し、世界を裏から支配する真の巨悪を指先一つで片付ける物語。