あらすじ
「—『木こりのジャック』が殺した154327人は、一体どこの誰なのか?」
「―登ってこい、高い、高い、マメノキを伝って」
突如現れた純白の樹、『漂白樹』に、地表は支配された。
人類は地下都市『植木鉢』に逃げ込み、『監視塔』に与えられた生き方『命題』に従って管理され、全人口を15万人ほどに減少させながらも、かろうじて種を保存している。
役割を放棄し犯罪を犯した人間、『脱命者』を捕縛する任を負った『庭師』の少年ジャックは、とある人物の捕縛を命じられる。それは『植木鉢』で初めての殺人を犯した『木こり』の青年、ジャック。
『監視塔』が提示した情報は一つだけ。
彼の罪状「15万人の殺害」であった。
現人類の総数に等しい数を丸ごと殺した「とされる」大規模殺人事件は、
手段も、犯行時刻も、被害者さえも不明。
すべてが異様な、世界初の『殺人事件』。
ジャックは不自然な『監視塔』の挙動に違和感と疑念を覚えつつも、「木こりのジャック」のいる、純白の森に支配された『漂白域』に足を踏み入れる。
最大かつ史上初の殺人事件を支柱とし、複雑に絡む世界の謎に、二人のジャックは対峙を強いられていく。