あらすじ
夜。けたたましくインターホンが鳴り響き、おれは舌打ちをして、のろのろと起き上がった。頭を掻き、床に転がっている物を蹴飛ばして玄関へ向かい、ドアを開けた。
そこに立っていたのはスーツ姿の小柄な男。背筋をぴんと伸ばして、妙に姿勢がいい。やや口角を上げて、いかにも『私はあなたの敵ではありませんよ』というような笑みを浮かべていた。だが、おれは知っている。あれは自分よりも馬鹿だと思っているやつに向ける表情だ。
「夜分遅くに失礼いたします。こちら、商標違反の件でご説明に参りました」
「はあ? 商標違反……?」