あらすじ
『泣いたってどうしようもないでしょっ!』
怒鳴るような母の声。記憶の隅でずっと覚えている。
幼い頃両親が家を出ていってから祖母と二人で暮らしている涼風。高校二年の夏休み直前、彼氏にフラれて事故に遭う。約一か月間、涼風は意識が戻らずに病院にいた。その間の記憶はないはずなのに、話したことがなかったクラスメイトの西澤大空が親しげに声をかけてくることに戸惑う。
大空と関わるうちに、ずっと心の奥底に閉じ込めていた家族のこと、泣いたって仕方ないと諦めていたすべてのことが溢れ出す。そして、涼風は忘れていた記憶を思い出す──
表紙:自作