あらすじ
画面の中で歌う、超人気アイドル。
その正体は——俺の、昔のセフレだった。
俺の元・大学サークルの先輩、ヒツジ獣人のヒメカ先輩。
ふわふわのクリーム色の巻き毛、ぴこぴこ動く耳、額の小さな角、綿毛の尻尾。
ヒツジ獣人らしい、ゆるふわ清楚な雰囲気で、今をときめく超人気アイドルグループのセンターを張る、純度100%の癒し系アイドル——
——という、表向きの顔。
俺は知っていた。
ヒメカ先輩の本性が、深夜のL○NEで男を呼びつける、肉食系の小悪魔だってことを。
学生時代、俺は二年間にわたって、ヒメカ先輩の都合のいい時に呼び出される、便利な相手だった。
彼女の卒業と同時に、関係は切れた。
向こうも俺をブロックしていると思っていたし、こっちも対抗してブロックを返した。
これで過去とは、綺麗に切れた——はずだった。
ある夜、ふと魔が差した俺は、ブロックを解除してしまった。
数分後。
画面に、ぴこん、と通知が鳴った。
『ブロック、解除して』
『やっと、既読にしてくれた』
『絶対に、逃がさないから』
慌てて、再びブロック。
——だが、後日。
俺のポストに、差出人不明の封筒が届く。
中身は、マネージャーか誰かに代筆させたと思われる謝罪文。
だがその便箋の余白には、本人の字で、こう書かれていた。
『みつけた』
『やっと、おうちわかった』
『もう、にがさない』
そして——また別の日。
帰宅した俺の部屋に、ヒメカがいた。
鍵を開けられて、忍び込まれていた。
「ねぇ、後輩くんは、ヒメカのものだよね?💞」