あらすじ
見た目は最悪。会話もつまらない。服のセンスも壊滅的。
彼女いない歴=年齢の非モテ男、佐々木雄一。
ただ一つ、仕事だけは評価されていた。
真面目で、丁寧で、誰よりも相手のことを考える――それだけが取り柄の男。
ある日、取引先の役員・神崎から、こう持ちかけられる。
「佐々木君、ウチの娘と一度会っていただけませんか?」
何度も断ってきた話だった。
どう考えても釣り合わない。からかわれているとしか思えない。
それでも、押し切られる形で連絡先を交換し、数日間のやり取りの末――
ついに会うことになる。
指定されたのは、テレビでも特集された有名店。
そして現れた彼女は――
思わず息を呑むほど、美しかった。
誰が見ても“選ばれる側”の人間。
男は放っておかない。実際、これまで無数の男が彼女に惹かれてきた。
そんな彼女が。
なぜか、俺にだけ笑いかける。
「……やっと会えた」
距離が近い。会話も自然に続く。
そして、ありえない言葉を口にした。
「すごく素敵な人だと思ってますよ」
――意味が分からない。
見た目も、話も、何一つ優れていないはずの俺が、
どうして彼女にそんなふうに見えるのか。
だが彼女には、“人の心の綺麗さが分かる”という秘密があった。
そして――
誰にも選ばれなかったはずの俺は、
彼女にとって、誰よりも“魅力的な男”だった。
これは、世界に評価されなかった男が、
たった一人に見つけられ、肯定されていく恋の物語。