あらすじ
王宮魔術師エリシアは、攻撃魔法が使えない“無能”として婚約者である第一王子から婚約破棄され、王都を追放される。
代わりに選ばれたのは、華やかな力を持つ聖女ミレイユだった。
すべてを失ったエリシアは、あっさりと王都を去る。
そして、ただ一言だけ残した。
――「では、止めますね」
その三日後。
王都は崩壊寸前に陥る。
魔物は溢れ、天候は乱れ、国を守る結界は機能を失った。
どれだけ優れた魔術師や聖女が力を尽くしても、状況は悪化するばかり。
理由は単純だった。
これまで王都の結界を維持していたのは、“無能”と呼ばれたエリシアただ一人だったのだ。
やがて元婚約者である王子は、すべてを失いかけて初めて真実に気づき、彼女のもとへと土下座しに向かう。
しかし――
「無能に任せるのは不安では?」
突きつけられるのは、かつて自分が吐いた言葉。
これは、世界を支えていた少女がすべてを手放し、
そして“正しく評価される場所”を選び直す物語。
今さら後悔しても、もう遅い。