あらすじ
世界を覆っていた歪みは消え、王都には平和な日常が戻った。
巨大な異変も、理屈も計画もないまま——ただ“なんとなく”で解決された。
クレアはようやく肩の力を抜き、ダルムはいつも通り笑い、ハルキは相変わらず屋台を巡っている。
すべては終わった……はずだった。
だがその裏で、わずかな違和感が残る。
風の流れが一瞬だけ乱れる。
空間が、ほんの僅かに“ズレる”。
そして、物が音もなく消えるという不可解な現象が発生し始める。
それはこれまでの歪みとは明らかに異なっていた。
痕跡は残らず、原因も見えない。
だがハルキだけは、それに気づく。
「……まだ終わってないな、これ」
彼の直感は相変わらず雑で、説明もできない。
それでも、その“なんとなく”は外れない。
調査を進める中で明らかになるのは、
この異変が単なる残滓ではなく、より深い層に存在する“別の何か”であるという事実だった。
見えない存在。
触れられない歪み。
そして、空間そのものを“抜き取る”不可解な力。
世界は確かに救われた。
だがそれは——
ほんの表面に過ぎなかった。
より静かで、より分かりにくく、
しかし確実に世界を侵食する新たな異常が動き出す。
理屈では捉えられない現象に対し、
理屈を持たない男が再び動き出す。
理由は変わらない。
「なんか、気になるから」
そしてまた、
“なんとなく”で世界をどうにかしてしまう戦いが始まる。
今度の敵は、見えない。
触れられない。
それでも——
きっと、なんとかなる。
なぜなら、
こいつがいるからだ。