あらすじ
この世界は魔族が北の都から飛来して悪さをする。魔族討伐は人類の共通課題だ。その為に四年制勇者学校が創立されて何十年も経つ。
――人は出世したければまず勇者を目指す。勇者学校を卒業してもほんの一握りの者しか実際に勇者にはならない。北の都を目指して魔王討伐に行く本物の勇者は「ご苦労さんな人達」だと思われている。
この世界で何の仕事をするにしても勇者スキル(剣術、魔道)があると優遇される。なにせ魔族が突然の襲来するのだから。魔族に耐えられる戦闘力があるからこそ、勇者学校の卒業生はうんと優遇される。
卒業後五年も経てば皆、官僚だったり、医者だったり、商社の管理職だったり、ベンチャー経営者だったり高給取りだ。
――だから皆、目指す!
勇者学校の入学試験は十八歳限定(その年の三月三十一日に十八歳である者だけが受験できる)だ。試験内容は基礎体力、好きなスポーツと高校の調査書だ。剣術と魔道は入学後に教えるから、出来なくていい。
――ここからが僕にとって大切な話だ。
勇者学校は訓練に耐えられず中退する者が出てくるのが常だ。
そこで勇者学校は「欠員補充のための編入試験」を実施している。
編入合格者は二年次、または三年次に編入するのだが、試験内容は剣術と魔道だ。才能や素質ではなく、現に強いかどうかで判定される。
だから編入試験に合格するには、図書館などで剣術や魔道の本を読んで独学で会得するか、剣術や魔道を勇者学校の外で教えている「もぐり教官」に教えてもらうかしないといけない。