あらすじ
戦争は終わらないのではない。
終わらないように設計されている。
バルカシア。
三十年間戦争が終わらない土地だ。
その停戦交渉が三度目の決裂寸前だった。
過去二回の停戦合意はなぜ崩壊したのか。
その答えは停戦文書に仕込まれた「欠陥」にあった。
パブリッシャーの精鋭エージェント・織部悟の任務は、その欠陥を特定し修正すること。
歪んだ仕様書は直さなければならない。
たとえその仕様書が三十年続いた戦争の設計図であっても。
しかし調査を進めるうち、欠陥は文書だけではないことが判明する。
軍需複合体エイレス・コンソーシアムが三十年かけて設計した「停戦不可能システム」——様々な勢力の思惑が絡み合い、誰も停戦できない完璧な循環論理。
制限時間は七十二時間。
前線の兵士、医療支援員、廃校舎の教師——名もなき人間たちの意志を「変数」として組み込みながら、校正者は最大の仕様書を書き換えにかかる。
これは停戦交渉ではない。
停戦文書の校正だ。
※この作品は、小説家になろうにも投稿しています。