あらすじ

算数テストを子供が持ち帰ってきた。一問だけ間違えていたその問題は、一見するとただの文章題だった。 あめを一人に3個ずつ配ると12個余る。 チョコを一人に4個ずつ配ると8個余る。 あめとチョコは合わせて100個だ。 では、このクラスの人数は何人か。 父親は得意げに式を書きはじめるが、どう計算しても人数が割り切れない。小学生のクラスに「0.428571人」の児童がいるわけがない。 これは自分の計算ミスなのか。 それとも問題そのものが間違っているのか。 父親の威厳、理系への未練、子供への見栄、学生時代の敗北感が、たった一問の算数問題を前に暴走していく。 そして数日後、問題の誤りが発覚して父親は勝利した。少なくとも式は間違っていなかった。だが、彼の中に残ったものは達成感ではなく、長年くすぶっていた算数への恨みだった。 解けない問題に出会ったとき、人はどうするべきか。 考え続けるのか。間違いを認めるのか。 それとも――問題そのものを消せばいいのか。 算数に敗れた大人のための、家庭内ブラックユーモア短編です。

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カクヨム
カクヨム2026/04/29
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