あらすじ
原初の地上に、価値は存在しなかった。
そこへ神が万物に価値を付与し、人々は初めて【価値のある物】を手に入れた。
それこそが、この世界の起こりだった――。
森に囲まれた辺境の村。
教会で暮らす少年『ヌアダ』は、絵本に登場する【原初の付与師】へ強い憧れを抱いていた。
物へ価値を与え、人々を豊かにする存在。
いつか自分も付与師となり、村のみんなを楽にしたい。
それが少年の夢であった。
だが、村中に幾度となく鳴り響く鐘の音を境に、少年の世界は少しずつ変わっていく。
燃え上がる森林と押し寄せる敵兵。
そして、いつもは自分を諫めてくれる大人達が狼狽える光景。
先導隊との逃避行の中で彼は知っていく。
付与師とは何か。
護るとは何か。
――そして、価値によって成り立つこの世界の真実を。