あらすじ
街を騒がせる正体不明の大怪盗――“赤ずきん”。
予告状を送りつけ、警察の包囲網を鮮やかにすり抜け、宝石だけを狙う謎の怪盗は、いつしか世間を騒がせる存在となっていた。
柏木警察署・地域課の警察官、狼谷凪は、そんな赤ずきんの捜査に異常なほど執着していた。
挑発するように現れ、時には彼だけへ接触してくる赤ずきん。
なぜか狼谷の好みを知っている怪盗。
近すぎる距離感。
そして、どこか懐かしい声。
追うほどに、狼谷の中で“ある過去”が蘇り始める。
――幼い頃、目の前で消えた幼馴染・紅野美來。
やがて狼谷は気づく。
この事件は、ただの怪盗事件ではない。
童話の名を持つ犯罪者たち。
闇市場。
そして、“綴”と名乗る謎の存在。
すべての裏で糸を引く黒幕によって、街そのものが巨大な物語として書き換えられていた。
これは、
“正義”として生きてきた警察官と、
“怪盗”として生かされてきた少女の、
歪で切ない追走劇。
狼は赤ずきんを捕まえるのか。
それとも――救うのか。