あらすじ
動画投稿グループが、某フリマサイトで一本のVHSを購入する。
商品説明はたった一文。
『昔のホームビデオです。中身未確認。おまけ付き。』
テープに映っていたのは、ごく普通の家族の日常だった。
誕生日、庭先の花火、家族団欒の食卓、父親の他愛ない冗談、母親の笑い声、まだ幼い姉弟。
だが映像の最後にだけ、唐突に不自然なノイズが走り、
"家の外から、その一家を覗き込むような別視点の映像”が数秒間だけ挿入されている。
調査を進めた投稿グループは、やがてその家族が十数年前、地方都市で発生した未解決の惨殺事件
の被害者であることを知る。
当時、父母と長女が自宅で殺害され、幼い長男だけが行方不明になった。
事件は凄惨さと不可解さから世間を騒がせたが、決定的な証拠がなく、やがて風化した。
しかし、VHSを買った者たち、過去に同じ商品を出品していたアカウントの痕跡、そして“前の購入者”たちへのインタビューをつなぎ合わせると、その一家の記録は偶然流れているのではなく、誰かが意図的に断片化し、売買させ、受け渡し続けていることが判明する。
映像に映る家族の笑顔。
そこに紛れ込む、本来撮影されていないはずの視点。
購入者全員が語る「見終わったら、手元に置いてはいけない」という奇妙な共通認識。
そして削除された複数の出品履歴の先で浮上する、事件の生存者、失踪した出品者、当時の捜査関係者が隠した事実。
調査記録、インタビュー、音声データ、出品ページの魚拓、配送履歴、未公開映像。
それらを再構成した先で明らかになるのは……