あらすじ
「君だけは守る」
その言葉が、どうしてこんなにも怖いんだろう。
平民の少女リナは、世界を救うはずの勇者アルトに一目で愛される。
優しくて、まっすぐで、完璧なはずの彼。
けれどその愛は、どこか歪で、息が詰まるほど重かった。
彼の力は“守りたい存在”に比例して増幅する。
つまり、愛が深くなるほど、世界は壊れていく。
近づけば破滅。
離れれば、彼は壊れる。
逃げようとするたびに強くなる執着。
守られるほど増えていく違和感。
そして、気づいてしまう。
この恋は、救いじゃない。
――災厄だ。
「君を失うくらいなら、世界なんていらない」
その言葉を聞いたとき、リナは選ばなければならなくなる。
愛されない未来か、世界が壊れる未来か。
優しすぎる勇者と、守られたくない少女。
すれ違う想いが、静かに世界を壊していく。