あらすじ

勇者が選ばれた、その瞬間。 俺は――そこにいた。 だが、立っていたのは俺じゃない。 歓声の中心にいるのは、カインという名の青年で、俺はただ、その光景を見下ろすことしかできない場所に取り残されていた。 理由は分からない。声も届かない。触れることもできない。 それでも、なぜか分かってしまう。 この物語は、ひとつじゃない。 選ばれなかった動き。起こらなかったはずの選択。 本来存在しないはずの“もうひとつの可能性”が、確かにそこにある。 そして俺は、それに触れてしまった。 ほんのわずかに現実はズレる。 だが、その結果が何を変えるのかまでは分からない。 救われるのか、失われるのか。 正しい選択だったのか、それとも―― 考える間もなく、物語は進んでいく。 勇者カインを中心に回るこの世界で、選ばれなかった俺にできることは多くない。 それでも、目の前の選択に触れてしまった以上、何もしないという選択だけは、もう残されていなかった。 これは、勇者の物語の“外側”にいる俺が、 その分岐に触れ続ける話だ。 そして――その選択が、何を残すのかを、まだ俺は知らない。

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小説を読もう2026/04/28
  • 現在の作品選ばれなかった側の観測者 ―勇者の分岐に触れる、俺の選択―