あらすじ
「汝は長年にわたり上位治癒魔法を秘匿し、王家を欺いた罪により——」
十年間。私はこの国のために、治癒魔法を使い続けた。 記録には残らなかった。感謝の言葉も、一度もなかった。 待っていたのは、あまりにも他人事で、儀礼的な拍手に包まれた処刑。
(ああ。最初から私は、道具だったのか)
しかし、目を、開けた。
一年前——まだ、何も始まっていない。
「……もう、終わりにしよう」
今世では、誰も助けない。 治癒魔法は使わない。魔力の供給もしない。 私が治癒を止めた途端、王宮医療は崩壊した。
「当然だと思っていた」と悔やむ元婚約者。
「今度こそ、自分の人生を生きる」
これは、色のある空の下で、私が私のために歩き出す物語。