あらすじ
ある日、トシノリのスマートフォンに届いた一通のメッセージ。
――「助けてくれればよかったのに」
その一言は、彼の心に消えない後悔を残していた。
動けなかった、たった一歩。
救えたかもしれない命。
そんな彼の前に現れたのは、年を取らぬ存在――ルル。
彼女に導かれ、トシノリは“もう一度選べる世界”へと足を踏み入れる。
辿り着いた先は、歴史の狭間――
源義経が最期を迎えるはずだった場所。
救えば、歴史は変わる。
だがその代償は――“大切な記憶”。
それでも彼は選ぶ。
すべてを失ってでも、誰かを救うことを。
やがて、世界は書き換えられ、義経は生き延びる。
しかしトシノリは、自らの記憶をほとんど失ってしまう。
それでもなお、彼の心には“何か”が残っていた。
名も思い出も消えた先で、彼は再び問う。
――「あなたは、誰ですか?」
これは、救いと引き換えにすべてを失った男と、
それでも寄り添い続ける存在の物語。