あらすじ
「森の奥には人喰いの化け物がいる」――
そんな言い伝えが残る小さな村で暮らす少女・センカは、ある日、禁じられた森の奥へと足を踏み入れる。
そこで出会ったのは、人々が恐れる“化け物”とはかけ離れた存在だった。
不器用で、優しく、誰よりも孤独だったその存在に、センカは「ノア」と名前を与える。
恐怖から始まった出会いは、やがて心を通わせる日々へと変わっていく。
センカはノアに一冊の絵本を語る――白い烏と黒い烏の、愛と喪失の物語。
だがその頃、村では“化け物の存在”が確信へと変わり、討伐の動きが始まっていた。
迫り来る現実。
逃げることを選ばないノア。
守ろうとするセンカ。
交差する想いの中、放たれた一矢が、すべてを変える。
――恐れられる存在であること。
――それでも、ただ一人に理解されること。
それが救いと呼べるのなら。
これは、“バケモノ”が初めて名前を与えられ、
そして確かに救われた、ひとつの物語。