あらすじ
8歳のユウトは、川崎の団地でひとり暮らしのような毎日を送っている。
両親はほとんど家におらず、学校にも通っていない。
食べるものも少なく、誰かに名前を呼ばれることもない日々。
それでもユウトは、「ただいま」と言って家に帰る。
ある日、商店街で出会った電気屋の男から、ひとつのコロッケをもらう。
あたたかな衣に包まれたそれは、ユウトにとって初めての“何か”だった。
触れられること。
与えられること。
そして、「帰る場所」とは何か。
これは、名前を呼ばれない子どもが、
世界のあたたかさを知るまでの、短い物語。