あらすじ

四百五十年前の安土桃山時代から、歴代の所有者が皆『仲間に裏切られ、刺殺される』という凄惨な最期を遂げてきた曰くつきの妖刀『桔梗』。  歴史の闇から姿を消していたその刀が、祖父・弦十郎の蒐集品として如月邸へと持ち込まれた直後、一族を不可解な厄災が襲う。  父・彰が原因不明の高熱で倒れ、完璧な空間認識を持つ姉・翡翠が階段から転落し、母・菫までもが呼吸器異常で昏倒。コンツェルンの信用失墜を危惧した弦十郎は、外部との接触を完全に絶ち、如月邸を物理的・ネットワーク的に完全封鎖してしまう。  次々と家族が倒れ、使用人も消えた静寂の屋敷。  完全な孤立無援の中、オカルトや怨念を『愚鈍』と冷徹に切り捨てる孤高の天才令嬢・如月瑠璃は、愛用の懐中時計で己を調律し、純白の手袋を嵌める。  彼女の目的は家族の救済ではない。目の前にある異常な事象の起源を解剖することただ一つ。  一族全滅のタイムリミットが迫る『死の密室』で、瑠璃は極限状態の肉体と論理の刃を頼りに、四百五十年の血錆に隠された歴史の真実へと迫る。  果たして、連鎖する悲劇は悪意なき物理法則の産物か、それとも――。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
カクヨム
カクヨム2026/04/28
  • 現在の作品如月瑠璃は血錆の方程式を証明しない