あらすじ
沖縄・名護市。
高校生の比嘉湊(ひが・みなと)は、幼い頃から「何か大切なものを忘れている」という奇妙な欠落感を抱えながら生きてきた。
その違和感は、ある日、足元の影が自分より一呼吸遅れて動いた瞬間に牙を剥く。
突如として現れた、人の魂(マブイ)を喰らう異形。
目の前で命を落とした幼馴染のひかり。
そして湊自身も、黒い影に心臓を貫かれ、死んだはずだった。
しかし、次に目覚めたとき、湊は過去の教室にいた。
手元には、自分の筆跡ではない謎の波紋、「潮紋(ちょうもん)」が刻まれたノート。
そして、傍らには湊をじっと見つめる、オッドアイの猫。
「予知夢か、幻覚か、それとも――」
繰り返される惨劇。
愛する者を救うため、彼は自分の命を「攻略の道具」として削り始め、終わりの見えないループへと身を投じる。
失われた魂を呼び戻す「マブイグミ」の儀式は、現代の闇に潜む怪異を打ち払う鍵となるのか。
沖縄の熱い風と、潮の匂いに包まれた、喪失と再生のタイムリープ・ミステリー。