あらすじ
メンタル福祉センターの相談員、夏目颯太(なつめそうた)の生活は、隣人が越してきたことで大きく変わる。
引っ越し挨拶で食わされたのは、コオロギだった。
白澄藍(しらすみあい)は、人間より虫を優先する変な男だった。
蟻の行列を眺め、蝉の抜け殻を集め、コオロギクッキーを差し入れてくる。
普通なら関わらない。
空気に飲まれたらダメなはずなのに、好奇心が邪魔をする。
人間嫌いで人を遠ざけるくせに、自然と隣にいる。
触るなと自分で言う割に、離れない。
気がつけば、目が離せなくなった。
目が離せないから、近くにいる。
これは、コオロギを食わせてくる隣人とのちょっとおかしな恋の話。