あらすじ
「彼女のことが好きになってしまった。わかってくれ」
二十歳の誕生日の夜、婚約者にそう告げられた伯爵令嬢ソフィアは——泣くのは七日間だけ、と決めた。
七日が過ぎた朝、彼女は本棚の奥に眠っていた一冊を引っ張り出した。
十二歳の頃から夢中になり、婚約中はずっと諦めていた古代語の文法書を。
王立図書館の禁書庫へ向かうと、誰も解読できなかった古代文書がすらすらと読めた。
千年分の知識が、ソフィアの目の前に開いていった。
そこへ現れたのが、第一王子クロード殿下だった。
「王宮文書顧問として、ずっとそばにいてほしい。——仕事の話だけではありません」
怒らなかった。騒がなかった。七日間だけ泣いて、前を向いただけ。
それが、すべてを変えた。
一方、婚約を破棄した彼の家では——思わぬ事件が起きていた。