あらすじ
画家を志す田舎の少女「アルル」が、二年間にわたって綴った、約百年前の手記。
芸術的な感性を持つアルルは、村一番の絵描きであり、村一番の優等生だった。
完璧主義であった彼女は、村人や両親からの期待に押され、夢に反してパリの師範学校へ入学する。
あの田舎の小麦畑もそこにはない。
あの田舎の青い空もそこにはない。
都会のけむりに飲まれ、ずれた道を歩む不安に蝕まれ、自分の才能に裏切られ……アルルは評価という重圧のなか、「私」と「世界」がずれていく。
そして、最後の一頁には___
私を認めるのは、他人ではない。
世界が美しいのは、世界のせいではない。
「手記」
著:アルル