あらすじ
王立記録院に勤める下級貴族ルカ・エインズワースは、王宮の出来事をただ記録するだけの青年だった。
ある夜、地下書庫で見つけた黒い台本。
そこに書かれていたのは、まだ起きていない未来――公爵令嬢セレスティア・ローゼンベルクの断罪と処刑だった。
冷酷な悪役令嬢と噂される彼女。
けれどルカは知っている。
彼女が本当は、王太子の失政を陰で処理し、孤児院や施療院を匿名で支え、国のために嫌われ役を引き受けてきたことを。
台本の余白に書けるのは、たった一文だけ。
毒杯。
婚約破棄。
国家反逆。
公開断罪。
どれだけ未来を書き換えても、世界は彼女を“悪役”にしようとする。
やがてルカは知る。
この国では、王家の危機を隠すため、誰か一人を悪役に仕立てる“断罪台本”が使われてきたのだと。
悪役令嬢を救うため、記録係の青年は物語そのものに抗う。
これは、誰かに決められた役を捨て、自分の名前で未来を選ぶ二人の物語。