あらすじ
母は転生者だった。転生者というモノの意味は分からないけれど、この世界ではなく神様に近い世界で生きていた人がここに生まれ変わってきたということらしい。母はこの世界のことを何でも知っていた。いつか起きることや、見てもいない出来事の内容など。
幼い私には理解できないことが多かったけれど、いつも母の教え通りに進めば間違いはなかった。
だけど母は病気になり、私が13の時に亡くなってしまう。
母は亡くなる寸前で、父のことをようやく教えてくれた。父は隣国の王様で、母が唯一愛した人だった。だけど母は悪役令嬢というものに仕立てあげられ、国外追放の身となったらしい。
未来を知っているはずの母が、なぜ? その疑問は、私だった。
母はどうしようもない未来を変えようとしつつも、父を愛してしまい、そして何より生まれてくる予定の私をずっと待ち望んでいたのだと。
母にとって私は母の全てであり、希望だったらしい。自分を追放した奴らから私を隠し通し、母は私に自分の死んだ後の道を示してくれた。
「正ヒロインになって」それが母の遺言だったけれど、母が残した予言の書ではなく、過去の記憶(日記)を見た瞬間、私は自分が幸せになるよりも、母を死に追いやった奴らに復讐を望んだ。
母が正ヒロインのルートに入っても、唯一選んではいけないと言った「彼」。彼ならば私の望みを叶えられると確信し、彼に契約婚を持ちかける。