あらすじ
「私が美しいというのは、別に自惚れでも何でもない。社会的に確立された事実というものである」
そう自認する令嬢エラは、王太子殿下の花嫁選びの舞踏会で、嫌味令嬢たちの集中砲火を浴びていた。
苛立ちまぎれにあおったワインには、なぜか焼けつくような刺激物が仕込まれており——反射的に吹き出した先には、ちょうど声をかけようと近づいてきた王太子殿下の、麗しい御尊顔が。
王国の歴史に残る大不敬を犯したエラは、ヒールの片方を残し、夜の庭園へと逃亡した。
しかし、証拠隠滅をしてすっかり安心していた彼女の元に数日後訪れたのは、被害者である王太子殿下、その人であった。